機械 コマツ様
ヘルプデスク業務にITILを導入した背景
ユーザ6,000人、月間800件のコールに対応

クオリカは7年ほど前から、コマツ様のシステム運用管理の一環として、エンドユーザ(コマツ社員)からの問い合わせに対応するヘルプデスク・サービスを提供してきました。ひとり一台のパソコンが配備された当時、パソコンの設定やOSのインストールなど初歩的なものからトラブル対応までフォローする、常駐のサポート要員としてヘルプセンターが立ち上がったのがきっかけです。
現在のサービス対象は、コマツ様の本社、工場など国内9事業所に設置されている情報系システム(メールシステム、ネットワーク、サーバーー、クライアントPC)で、ユーザ数は6,000人を超えています。国内各地に点在している全拠点にサポート要員を配置して月間約800件(9拠点計)寄せられる問い合わせに対応していました。
改善前の課題
個人依存型のサポート体制脱却を目指して

ビジネス企画室
室長 本村正義
・拠点ごとに対応しているうえに、対応履歴を紙面で管理していたため、ノウハウの蓄積、共有がむずかしい
・個人対応が多く、経験者に負荷が偏る傾向があった
・障害回復状況の把握がむずかしく、また回復に時間がかかった
・サービスレベルに対する数値目標が設置されていない
・サービス範囲が曖昧である
などの問題を抱えていました。コスト削減を図りつつ、サービス向上・均質化を追求するためには、業務ルールを導入し、担当者一人ひとりにその考え方を浸透させる必要があったのです。
ITILの導入による成果
時間短縮・品質向上を達成し、さらなるサービスアップへ

平均解決時間の短縮
1時間→25分/件へ(目標達成)。
一次対応(電話のみでの解決)率向上
5%→75%へ
SLA(Service Level Agreement)導入によるサービス品質の均一化
コマツ様・クオリカ双方にてサービス範囲が明確になるとともに、品質についての評価指標の統一ができたため、安定したサービスを提供できるようになった
サービス立ち上げ期間の短縮
2か月以内でのサービス開始が可能に
ITILを整備する前は「一次対応」「二次対応」という考え方がなく、すべてをひとりで処理していました。そうするとユーザからの電話対応に精一杯で、新たな改善案を生み出す余地がありません。電話だけで対応するヘルプ専任の「一次対応」と、ヘルプデスクでは解決できないようなコールの対応や改善を主とした「二次対応」とに役割を振り分けたことで、障害を未然に防ぐための改善にも工数を割けるようになりました。コマツ様からの顧客満足度評価も高く、もっといろんなサポートをしてほしいという発展的なご要望も上がってきています。サポート時間の延長や、対象アプリケーションの拡大など、お客様のニーズに適ったよりよいサービスのご提供を検討しています。
ITIL導入後のヘルプデスク(総合サービスデスク)概要
「ITIL(Information Technology Infrastructure Library)」を導入したことにより以下業務の標準化を実現しました。
- サービスデスク/インシデント管理
- お客様からのコール窓口・受付
- 対応履歴の記録(蓄積)と一次対応
- 二次対応へのエスカレーション
- 受け付たコールの進捗管理
- 問題管理
蓄積された記録を分析し、根本原因の追求と改善を実施 - 変更管理
- システム変更時の事前作業レビュー
- システム変更情報の蓄積
- 構成管理
サービスに関連する構成情報の管理 - サービスレベル管理
- サービス内容の管理(整理・把握)
- サービス目標の設定
- パフォーマンスの測定、改善の実施
※ ITIL:ITサービス管理・運用規則に関するベストプラクティスを調和的かつ包括的にまとめた一連のガイドブックのこと。ITサービス管理を実行するうえでの業務プロセスと手法を体系的に標準化したもので、ITに関する社内規則や手順などの設定・見直しを行なう際のガイドラインとして活用される
お客様のプロフィール

- 会社名
- コマツ
http://www.komatsu.co.jp
- 所在地
- 東京都港区
- 設立
- 1921年5月
- 資本金
- 67,870百万円(連結:米国会計基準による)
- 事業内容
- 建設・鉱山機械、エレクトロニクス、産業用機械・車両、環境関連システムなどの事業を中心に、住宅関連、運輸・物流などの事業を展開。国内トップの建設機械メーカー(全世界第二位)