ホーム導入事例PT.IBARA LIOHO INDONESIA(井原精機・六和機械インドネシア)

インドネシアの自動車部品工場にATOMS QUBE導入

製造業

製造業 PT.IBARA LIOHO INDONESIA(井原精機・六和機械インドネシア)様

掲載日:2020年01月30日

導入ポイント

  • 課題
    ●表計算ソフトExcelではデータ共有に限界があり、入力ミスも発生
    ●資材やWIP(仕掛品)の保管場所をパソコン上で確認することが困難
  • 評価ポイント
    ●取引先が協業する日系ベンダーで稼働後の保守運用のフォローも万全
    ●稼働開始の日程が決まっている中、短期導入できるソフトだったこと
  • 効果
    ●リアルタイムかつ正確なデータと資材・製品の保管場所情報を共有
    ●生産現場の入力にハンディ機器を導入し、トレーサビリティを実現

課題

売り上げが4年で10倍に拡大、従業員は約150名に増員
規模の拡大に伴い、露呈したExcelによる生産管理の限界

井原精機・六和機械インドネシアは、首都のジャカルタから車で約3時間のバンドンに自動車部品工場を持つ合弁会社です。同国の自動車生産台数は100万台を超え(2018年は約130万台)、将来有望な市場と判断して進出。精力的に営業活動を続けて急成長し、売上高は4年間で約10倍の800億ルピア(19年見込み)に拡大しています。従業員は約150名へと増加し、工場も手狭になったため20年には現在建屋3,500㎡に3,000㎡を増築する予定で工事を進めています。
規模の拡大に伴い、課題となったのが生産管理です。当初、従業員が少ない時は表計算ソフトのExcelでの管理で事足りていましたが、100名を超える頃から様々なトラブルが発生。工場には主に「受注」「購買」「生産」「出荷」の4部門がありますが、それぞれが別のExcelファイルを使ってデータを入力しているため転記する必要があり、その際に入力ミスが生じたり、リアルタイムのデータ共有ができないなどと、問題が頻繁に起こるようになりました。また、転記されたデータが正しいのかなど確認作業も必要になり、作業が滞る場面も頻発していました。
さらに課題となったのが、資材やWIP、完成品の保管場所情報の共有。Excelへの入力が徹底されず、ミスも生じることから、毎回足を運んで在庫目視を行う必要があり、時間と手間を浪費していました。
そして、現場の製造メンバーも、手書きしたメモに基づき、1日の作業が終わった最後に生産関連の日報を入力。余計な時間がかかり、入力に間違いがあるなど悩みを抱えていました。工場ではこれらの負担を一掃するため、一日も早く解決策を講じる必要性に迫られていたのです。

左から TTNIインドネシア 伊佐 氏、PT.IBARA LIOHO INDONESIA リニ(RINI)氏、
PT.IBARA LIOHO INDONESIA ティカ(TIKA)氏 (プロジェクトリーダー)、PT.IBARALIOHO INDONESIA 阿部 氏

選定

現地に拠点を持つ信頼するSI会社がクオリカを推薦
ラマダン明け長期休暇までの短期間導入が必須条件

工場が相談を持ち掛けたのが、設立当初から他のシステム関連の導入で取引関係にあったPT.TT Network Integration Indonesia(TTNI)※です。TTNIはインドネシアに拠点を持つ日系SI企業で、工場にも定期的に訪れる取引先。そのTTNIが規模感や機能性などを考慮して工場に提案したのが、クオリカが開発し、国内はもとより中国や東南アジアを中心に海外での導入実績も数多く積んでいる生産管理システム「ATOMS QUBE」でした。「詳しい事情が分からない土地でベンダーを探すのは困難。日頃から信頼関係があるTTNIが推薦するシステムを導入するのが、最も有効な方法だと考えた」と、工場の責任者は話します。システム稼働後に問題や要望があった場合、すぐに日本語で相談したり、クオリカと連携して対応する体制が整っていることも、選定に有利な条件となりました。
また、稼働開始日程が決まっていることも選定のポイント。工場で働く従業員の大半がイスラム教徒であり、宗教上の義務から断食する「ラマダン」が終わり、断食明け(レバラン)の長期休暇が始まる前の6月の最初までには、システム導入や教育を終えることが条件でした。プロジェクトのキックオフは3月半ば。パッケージソフトのATOMS QUBEであれば、3か月足らずという超短期間でも導入が可能。クオリカではそう判断し、稼働に向けてスピーディーにプロセスを進めていくことになったのです。

※TTNI:2011年設立。豊田通商グループのインドネシア現地法人。トヨタグループをはじめ、多くの企業にICTインフラやアプリケーションを展開。クオリカとは2017年に協業を開始し、製造業の顧客にATOMS QUBEの販売から導入支援、保守運用サポートを提供している。

導入を担当したクオリカ社員と一緒に

効果

現地の従業員から運営リーダーを選んでルーティン化
製造過程の製品は手入力をなくし、バーコードで管理

プロジェクトは順調に進み、4月に要件定義を終え、5月には従業員の操作教育とマスター設定を完了。ユーザーテストも行い、期日通り、6月に最終データの移行を済ませることに成功。レバランの休暇が終わった後の7月初め、計画に遅れることなく、本番開始にこぎつけることができました。
インドネシアをはじめ、東南アジアなどでシステムを導入する際、課題となるのが、稼働後、現地の従業員に着実な使用を促し、定着させること。導入したにも関わらず、従業員が面倒に感じたり、メリットを実感できず、システムの重要な機能が使われないケースが少なくないからです。そこでTTNIとクオリカが考案したのが、工場で働くインドネシア人の中から、システムへの入力や使用を促進するリーダーを決めて、責任者として指導を任せること。実際、指名されたプロジェクトリーダーは、注意喚起を徹底的に実施。「ミーティングで決めた運用ルールを守るように日々発信し続け、ルール通りに行っているかどうか、現場を回って毎日確認するようにしました。最初は億劫に思っていた従業員も、根気良く指導することで、3~4か月後にはルーティンになり、その後は『管理やチェックが簡単になり、とても楽になった』との声も聞かれるようになりました」(プロジェクトリーダー)。
稼働後は、4部門が同じシステムに入力することで、転記によるミスがなく、かつリアルタイムのデータ共有が可能になり、誤った情報による混乱や、確認する時間を解消。資材やWIP、完成品の保管場所も入力し、共有することで、在庫の状況がひと目で分かるようになり、作業の滞留もなくなっています。
一方、生産現場の作業員にはハンディターミナル機器を配布。製造過程の製品に貼付されたラベルのバーコードをワンタッチで読み込むだけでデータの入力が完了し、従来の手入力による手間やミスが減ると共に、リアルタイムの情報共有ができています。途中からラベルも製品単位ではなくパレット単位で貼るように運用するなど、自分たちが使いやすいように改善を図る工夫も施しています。

導入作業中の様子

今後の展開

トラブル時はトレーサビリティを追うことで原因を解明
今後は見込み受注機能の活用やEDIのデータ連携も模索

現場では、ハンディターミナル機器での入力を中心に正確なデータが日時を含めて入力されることによって、製品のトレーサビリティが記録できるようになっています。製品にトラブルが起きた際は、記録を確認することで原因を突き止め、解決や改善を行うことができるわけです。
また、ATOMS QUBEには確定受注だけでなく、見込み受注を計算して、受注の増減の可能性がある場合、前もって資材の購買を調整し、急な生産の変動に備える機能があります。これは過剰な在庫や欠品の防止に役立ちます。あるいは、資材を購買する取引先から電子データをシステムに取り込むEDIによる情報連携も可能。導入することで効率性が向上し、従業員はコア業務である生産に注力することができます。今後、工場ではATOMS QUBEの有用な機能をできる限り活用し、最適な生産体制を構築していく予定です。

お客様のプロフィール

会社名
PT.IBARA LIOHO INDONESIA(井原精機・六和機械インドネシア)
所在地
Jl.Raya Rancaekek KM24,5 Kawasan Industri C-12,Kabupaten Sumedang 45364 Indonesia
設立
2014年3月
売上高
800億ルピア(2019年度見込み)
事業内容
自動車部品、農機具部品のメーカーである井原精機(岡山県)と六和機械(台湾)がインドネシアに設立した合弁会社。現地では自動車のステアリングに関連した部品を製造。