製造業 マツダ株式会社様
導入企業の概要
マツダ株式会社様(以下、マツダ様)は、広島県を本拠地として1920年に設立された自動車メーカーです。
世界で初めてロータリーエンジンを実用化・搭載した自動車を量産されているほか、近年では「走る歓び(Zoom-Zoom)」と「優れた環境・安全性能」を高いレベルで調和させた革新的技術「SKYACTIV TECHNOLOGY」を全面採用した「マツダ CX-5」が「2012-2013 日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞、新型「マツダ アテンザ(海外名:Mazda6)」が「2013ワールドカーデザインオブザイヤー」ベスト3に選出されるなど、世界中のお客様から高い評価を得られています。また、2015年5月に「マツダ CX-5」の世界累計生産台数が2015年4月末までに100万台に達したことを発表されました。
システム導入の背景
試作開発部品の生産期間短縮
マツダ様は、重力鋳造での試作開発部品の生産期間短縮を図るため鋳造CAEシステムの導入を検討していました。数種類のCAEシステムを比較検討した結果、豊富な機能、操作性、解析結果の精度、導入費用等を評価頂き、2001年にJSCASTを導入、試験的に活用していました。
2007年より現場で本格的にJSCASTの運用を開始し、現在は年平均60~70部品を解析しています。
2008年にはポロシティ解析の精度向上のため、アルミポロシティや球状黒鉛鋳鉄に特化したオプションを導入、2010年には、砂型の通気性を考慮したオプションを追加導入し、シミュレーションで解析できるバリエーションを強化してきました。
更に、2014年には別部署のパワートレイン製造部にも1セット追加導入し、今後、ダイカストプロセスにおいてもJSCASTを活用していく予定です。
JSCAST導入後の効果
引け巣欠陥・湯廻り不良におけるトライアル削減
JSCASTでの解析により、引け巣欠陥・湯廻り不良におけるトライアルは削減傾向にあり、効果を発揮しています。しかし、近年の基本形状の薄肉化や複雑化に伴い、欠陥対策は難易度が増してきました。特にガス欠陥に対する事前検証は難色を示し、苦慮しています。
ガス欠陥は様々な因子により発生し、特に、鋳型に砂型を使用しているマツダ様では要因特定が困難なため、方案設計者にとって悩みの種となっています。ガス欠陥削減に向けて、解析オプションモジュールの導入に加え、PC能力UPによる解析精度向上を実施しています。最近では、当初は有効活用されていなかった、堰別流入表示解析を実施し、湯道内で発生する乱流によるガス欠陥を防止し改善を行っています。
また、作業者のスキルにより鋳物要素数や解析時間にバラツキが生じていたメッシュ作成において、作成方法をルール化し改善を行いました。平均30分かかっていた作業時間が5分以内になり1/6に大幅短縮、作業者間のバラツキはゼロとなり、トライアル削減に寄与しています。
お客様のプロフィール
- 会社名
- マツダ株式会社
http://www.mazda.com/jp/
- 本社所在地
- 広島県安芸郡府中町新地3-1
- 創立
- 大正9年(1920年)1月30日
- 資本金
- 2,589億5,709万6,762円
- 事業内容
- 乗用車・トラックの製造、販売等