アパレル業 双日インフィニティ株式会社様
導入ポイント
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選定ポイント●多忙なIT担当者に負荷を掛けずに滞りなくシステム導入できる手厚いサポート体制
●Fit&Gapを適切に判断できる店舗業務に関する業務とシステムのノウハウ
●滞りない業務移行を支援する店舗研修の企画、運営体制 -
評価●Fit&Gapからシステム稼働まで、店舗研修や店舗ハードウェア調達展開を含めて全工程をクオリカの全面的な支援によりプロジェクト完遂
●リモート会議も的確な報告と提案で、日程管理やプロジェクト課題解決を円滑に進めるマネジメント力
●自社IT部門のごとく状況に応じて臨機応変に立ち回る姿勢 -
導入後の状況●店舗ヘルプデスクを通じて販売員の声を吸い上げ、課題の可視化と迅速な対応を実現
課題
プロジェクト最初の関門が旧システムとのFit&Gap
クオリカがリードし遅延なく課題の切り分けを実施
双日インフィニティは、主力ブランド「McGREGOR」を始め、複数ブランドのアパレルや雑貨を企画製造販売する中堅アパレルメーカーです。近年、ECの販売に力を入れ、実店舗での販売と融合させるオムニチャネル化を目指す戦略を推進しています。
そうした戦略を進める中、旧POSシステムの保守運用サービスの終了に伴い導入を決めたのが、クオリカが新たに展開を始めた、小売専門店向けトータルソリューション「S p e c i a l t y QubeGrowth(SQG)」のPOSシステムです。双日インフィニティは、このSQGの第一号の導入企業となります。
ただし、同社の課題は、多くの中小・中堅企業と同様に、社内に情報システム部が存在せず、十分なプロジェクト体制を組むことが出来ませんでした。プロジェクト開始時、最初の難題が旧POSシステムと新POSシステムのFit&Gapを実施し、Gap(ずれ)がある部分について、「システムの機能に合わせて業務の運用を変えるか」「システムを業務に合わせるためにアドオン開発するか」の切り分けを行うことでした。
「本来、Fit&Gapは社内のシステムを最もよく知っている情報システム部が主導して実施するのが理想的です。しかし、当社にはその情報システム部がなく、その他の業務を兼務する担当者が並行して対応するのは決して容易ではない状況でした。そこで、クオリカに期待した役割が、まるで社内の情報システム部のように立ち回っていただくことでした」と、企画業務部副部長の塩野氏は話します。要望に応えるべくクオリカでは体制を組み、Fit&Gapを代わりにリードして実施。ほぼ遅延することなく、最初の関門をクリアすることに成功したのです。
評価
クオリカがトータルサポートで全工程を支援
“決まる会議”で迅速にプロジェクトを回す
その後、プロジェクトでは、アドオン開発の要件定義や設計、開発、店舗に配置するPOSレジなど必要なハードウェアの調達やキッティング作業、インフラの構築、それらの展開日程の作成と進捗、課題管理など、様々な業務が発生していきます。そうした業務も大小を問わず、全てクオリカが提案し、双日インフィニティが承認後、クオリカが実行するという、フルサポートによって着実に推進されていったのです。「仮にこうした業務を当社が行ったとして、苦労するのはハードの調達、導入展開、ソフトの開発などを別々のベンダーに依頼し、それぞれを管理しなければならないこと。それを今回はクオリカに一元的に依頼し、スケジュールの作成や調整も含めて全てトータルで任せられたことで、当社の負荷が減ったことは非常に大きなメリットでした」(塩野氏)。
また、コロナ禍で打ち合わせがオンラインによるリモート会議となる中、塩野氏が高く評価したのが、クオリカの進め方でした。「取引先との会議で困るのが、『どうしましょうか』と判断を丸投げされること。それを持ち帰って検討し、判断して伝えるだけで数日かそれ以上かかり、進行が止まってしまいます。その点、クオリカは、10個の検討事項があれば、半分は最適な解決案を提案してくれて、残り半分もいくつかの選択肢をメリットとデメリットの説明とともに提案してくれるので、当社が即断しやすいように進めてくれます。つまり、その場で全てが“決まる会議”となり、非常に迅速にプロジェクトを回すことができたのです」(塩野氏)。
導入
業務移行の鍵を握る「研修」もフルサポート
パイロット期間の実施で問題の芽も事前に摘む
導入の際にも課題はあります。新しいPOSレジは、全国25店舗で使用するツールであり、システムが出来上がっても現場のスタッフが使えなければ意味がないため、使い方を教える研修こそがキーポイントとなるわけです。クオリカでは、今回、この研修においても、企画から運営、講師派遣までを担うフルサポートのサービスを提供。基本的に各店から店長と副店長の2人が参加する合計40人余りの集合研修を、東西2か所に設けた研修会場で効率的に実施したのです。コロナ禍では、密にならない座席の配置、安全性を考慮した講師の位置など、会場のレイアウトにも配慮が必要でした。「そうして、普段とは異なる状況での開催にも、知恵を絞って取り組んでいただけた」と、塩野氏は非常時での柔軟な工夫を評価しています。
一方、POSレジの導入も段階を踏んで進めています。まず、2店舗でパイロット展開し、使用する中で現場から上がってきた問題点や課題、不備などに対応、解消するプロセスを設けたのです。例えば、新しいPOSレジには、レシートに担当スタッフの氏名が印字される機能が備わっていました。それに対し、現場からは「氏名は個人情報なのでプリントされないように設定してほしい」という強い要望が寄せられます。
最終的には氏名の代わりに社員番号を印字することで決着。短期のリードタイムでの改修を実現しています。「一般的に、SaaS型のクラウドパッケージシステムは自社業務に合わせた対応が難しい商品が多い中、SQGはニーズに合わせてアドオン開発する対応力があります。他にもいくつか課題が上がる中で、システム対応業務運用を変更し対処。パイロット期間が終わり、残りの20数店に展開する時には、ほぼ問題の芽をつぶした状態で、POSレジを展開することができました。結果、以前と同様に、違和感なく新しいPOSシステムを使えていることは大きな成果。こうして段階的に進めるノウハウは、数多くの実績と経験を持つクオリカならではの価値だと思っています」(塩野氏)。
今後の展開
稼働後もヘルプデスク経由で現場の課題を可視化
より深いマーケティングを目指す
POSレジの展開も完了し、安定稼働が続く保守運用フェーズでは、問題や課題を見出すため、クオリカが設置したヘルプデスクに寄せられたスタッフからの質問や意見をまとめ、双日インフィニティとの月1回の運用報告会で共有、検討しています。「現場における課題を取りこぼしなく可視化でき、問題があればすぐに対処できている点は運用上の安心材料」と、塩野氏は言います。
今後、目指すのは、新しいCRMを導入することなどにより、ECとリアル店舗の顧客データを統合し、高度なマーケティングを実現することです。例えば、接客時にiPadを使って、顧客の購買履歴のデータを見ながら、最適な商品を提案し、店頭に在庫がない商品に関してはその場でECや他店の商品を画面上で見せるなど、より品質の高い顧客体験を提供します。「顧客マーケティングは、ひと昔前は『広く浅く』が基本でしたが、1to1が求められる今は、『一人ひとりに深く』が重要」と、塩野氏は話しています。
お客様のプロフィール
- 会社名
- 双日インフィニティ株式会社
- 所在地
- 東京都港区六本木1-6-1 泉ガーデンタワー9階
- 設立
- 1987年8月8日
- 資本金
- 1億円
- 事業内容
- 主力ブランド「McGREGOR」を始め、衣料品・消費財製品の企画製造・店舗運営・接客販売およびブランドマネジメントビジネスを展開。全国の有名百貨店、専門店、商業施設、ECなどで販売を行っている。
サービス・ソリューション
ニュースリリース
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