ホーム導入事例コマツキャステックス株式会社

JSCASTの導入により高品質の製品のコストダウンと納期の短縮を実現

システム導入の背景

凝固過程の“見える化”を実現するために 

コマツキャステックス株式会社様は、小松製作所の鋳造部門として1997年に分社化され設立されました。素材から完成品にいたる一貫生産の体制が確保されたコマツグループのなかで、建設機械の部品となる鋳造事業、模型事業、エンジニアリング事業を展開し、鋳造素材のマザー工場として成長を果たしてきた企業で、鋳鋼品の生産量では日本トップクラスの実力を誇るメーカーです。
同社では「ものづくりの原点」である鋳造素材の生産で、お客様に最大のご満足を提供するため「品質と信頼性」を追求してきました。その一環として、鋳物の内部欠陥の現状と対策効果の"見える化"を進めており、それは複雑な形状の鋳型内部で溶湯注入時と凝固時に何が起こっているのかを可視化するという取り組みでした。以前は、凝固過程の把握が難しいため、欠陥が出た型の改造を繰り返しながら改良を重ねるという手探りの作業を行っており、膨大な時間とコストを費やしていました。品質の安定、向上、さらには納期の短縮など、お客様の要望を先取りする効率性とスピードを獲得することができる"見える化"を実現するため、JSCAST(ジェイエスキャスト)の導入が図られたものです。

お客様が語る導入のポイント

全体のバランスが良く、コストパフォーマンスにも魅力

技術部 技術サイマルG 後列左より前畑 大樹様、立開 一基様、天野 尚武様 前列左より金丸 聡寛様、澤村 憲和様、吉岡 弘樹様技術部 技術サイマルG
後列左より
前畑 大樹様、立開 一基様、天野 尚武様
前列左より
金丸 聡寛様、澤村 憲和様、吉岡 弘樹様

技術サイマルGは、鋳物の構想案の作成から始まって、プロジェクトの量産立上まで行う部署です。
サイマルとは複数のことを同時に行うことで、製品に関わる様々な問題にチャレンジし、改善を行ってきました。品質向上、製作期間の短縮、コスト低減は、お客様が変わらずに求めることであり、以前のように改造を積み上げながらこうしたご要望にお応えしていくことは難しいものです。お客様の要望にお応えし、安定した高品質の製品を効率よく提供するためには、正確な解析による鋳造技術を獲得することが必要でした。
クオリカ株式会社と弊社の関係は深く、古くからパートナー(グループ)としての認識がありましたし、3次元湯流れ凝固解析システムの研究・開発の段階から携わっておりましたので、JSCASTの導入に際しては特に選定するといった感覚はありませんでした。他のシミュレーションソフトをあまり理解しているとは言えませんので、それぞれの特徴を比較し検討するのは難しいのですが、JSCASTは解析システムの精度が確かで、それに加えて様々な機能が網羅されているため全体のバランスが良く、簡単な操作で方案の妥当性を検討することができます。また、費用対効果として、コストパフォーマンスの面から見ても安心できるといった特徴を備えており、お客様の求める高品質の製品を実現できる、とても良いソフトと考えられます。

技術部 技術サイマルG
立開(りゅうがい) 一基 様

システム導入による成果

試作期間短縮、最適押湯による歩留り向上で原価改善を推進

湯流れ解析結果(初湯マーカ)湯流れ解析結果(初湯マーカ)
鋳物外観鋳物外観

コマツキャステックス株式会社様では小松製作所より分社化される以前からJSCASTを使用されてきました。導入以前は、欠陥が発生するとその対策として、鋳造方案→型製作→鋳造→検査という工程を、欠陥が無くなるまで繰り返していたもので、多くの時間とコストによるトライ&エラーの積み重ねでした。現在では、解析することで欠陥の現状把握ができ、それをもとに改善の検討を行うことができます。鋳型内部の溶湯の流れ、充填、凝固の様子、鋳造欠陥の予測を可視化することができるJSCASTの導入は、これまで欠陥の改善に約半年を要したものを、約2ヶ月という短期間で実現することを可能にしました。
「高品質の製品を提供することに留まらず、生産コストの削減にも貢献し、お客様からの評価もいただいています。また、定量解析を試験的に行ってみたところ、押湯の量により引け巣の発生状況を把握することができ、以前よりも少ない最適な押湯の量を予測することが可能になりました。」と語る立開様。実際、微妙な形状の違いによる生産時の条件のばらつきで数値は変化するものの、最適の押湯を解析。これをもとに模型を修正し、テストで検証を行い、実際の製品に反映。コストの低減策として他の製品へ水平展開により、次々に点数を増やしていく予定で、歩留まりの向上、原価改善にJSCASTが活用されています。

クオリカ担当者が語るシステム導入のポイント

グループとしてのメリットを最大限に活かして、充実のサポート体制を確保

クオリカ西日本事業部JSCAST室 主任(営業技術) 迫伸生クオリカ西日本事業部JSCAST室
主任(営業技術) 迫伸生

コマツキャステックス株式会社様は建設機械に使われる鋳鉄・鋳鋼製品を生産する日本でトップクラスのメーカーです。弊社とはグループ会社であり、JSCASTは開発から携わっていただいておりました。
同社様にはJSCASTはこれまで国内で4本を納入させていただきました。溶湯の湯流れから凝固にいたる解析シミュレーションに幅広くお使いいただき、内部欠陥対策や欠陥発生の低減、コストの削減に取り組まれ、成果を積み重ねておられます。
品質向上をはじめ、原価低減、期間短縮にいたるお客様のご要望にお応えできるシステムとして、グループでのメリットを最大限に活かしながら、最新の情報のご提供、充実のサポート体制の確保を確実に行っていきたいと思います。

お客様のプロフィール

会社名
コマツキャステックス株式会社
http://www.komatsu-kcx.co.jp/
本社所在地
富山県氷見市下田子1番地3
創立
1997年(平成9年)10月1日
資本金
69億79百万円
主要事業
鋳造事業、鋳鋼品・鋳鉄品その他各種素形材の製造・加工・販売・調達、鋳造用その他各種素形材用の型の製造

サービス・ソリューション