ホーム導入事例株式会社CHELSEA New York

SpecialtyQube Growthで商品を自動発注し自動在庫再編集
数値による商品管理で過去最高の売上高・利益を達成

流通・サービス業

流通・サービス業 株式会社CHELSEA New York様

掲載日:2023年10月31日

導入ポイント

  • 課題
    ●従来のシステムが保守切れのタイミングとなり、リプレイスが必要
    ●各店舗での商品の個別発注を本部の一括発注・適正分配に切り替える
  • 選定
    ●「自動発注」と適正在庫を自動調整する「再編集機能」があること
    ●クオリカが小売業の商流や業務に精通した提案ができること
  • 効果
    ●商品の発注と適正在庫の自動化により過去最高の売上高・利益を達成
    ●店舗のレイアウト編集をする余力が生まれ社員の意欲向上

課題

店舗が商品を発注し本部が管理できないリスク
全体の底上げをどうすれば図れるかを模索

 CHELSEA New Yorkは、北海道から沖縄までの全国の大規模ショッピングセンターに帽子やバッグ、生活雑貨、アクセサリーなどを販売する雑貨専門店(全国97店舗)の運営企業です。店舗の右側が男性向け、左側が女性向けと分けられ、幅広い商品構成で老若男女が来店する人気店となっています。
 そうした中、同社が抱えていた課題が、商品の発注方法が店舗からの個別発注であることです。「各店舗の責任者が自店で売れると思った商品をメーカーに直接発注していました。そのため、店舗ごとに品ぞろえがばらばらで、本部が管理できていないことが懸念点となっていました」と、同社の今村慎一郎社長は言います。
 ここで問題となるのが、品ぞろえが人の経験や勘に頼り、属人化されることです。自店のエリアの顧客層やトレンドを読み、巧みに発注をかけて売上を作れる、いわばスーパー店長であれば、店舗からの個別発注でも結果は残せます。しかし、全店舗にそうした店長がいるわけではありません。経験が浅く、売れ筋の商品を発注するのが難しい場合もあるでしょう。「そうなると、売れる店と売れない店のばらつきが出て、全体では業績が伸び悩む要因となってしまっていました。本部としては、売れないボトムの店舗をテコ入れし、全体の底上げを図るというのが最善の策。それを実現できる仕組みを作れないかと、模索する日々が続いていたのです」(今村社長)。

左から
株式会社CHELSEA New York 代表取締役社長 今村慎一郎 氏
株式会社CHELSEA New York 金沢営業本部 総務 皆川大智 氏

選定

どうせ投資するなら“前向きな”投資がしたい
ボトム向上、多店舗展開に向けクオリカを選択

 そうした状況下でターニングポイントとなったのが、従来使っていた店舗発注システムが保守切れとなり、リプレイスする機会が訪れたことです。同社では複数のベンダーに提案を依頼し、クオリカもそのうちの1社として選ばれました。
 クオリカが提案したのが、小売専門店向けトータルソリューション「SpecialtyQube Growth」を導入し、これまでの店舗からの個別発注をシステムによる本部からメーカーへの自動発注に切り替え、商品を適正配分する仕組みを構築することです。その提案を聞いたときの気持ちを、同社のシステム運用責任者である皆川大智氏はこう話します。「クオリカからの提案で、この“自動発注”という言葉を聞いた瞬間、属人化された発注から脱却するのに必要なのは、まさにこれだと直感しました」。
 他のベンダーから、現状の店舗からの個別発注を維持し、コスト面を抑える提案があった中での判断です。「せっかく投資をするのであれば、前向きな投資をしなければ意味がありません。今後、多店舗展開も視野に入れる中で、いつまでも人に頼った商品管理を行っていたのでは、人材の育成が追い付かず、出店計画の足かせにもなります。ボトムを上げ、店舗を増やしていくには、この道しかない――。今村社長とも話し合い、我々はそう腹を決めて、SpecialtyQube Growthを採用することを決断したのです」(皆川氏)。

導入と成果

自動発注と在庫再編集で商品が着実に売れる
ボトムが前年比120~130%と売上が大きく伸長

 SpecialtyQube Growthの導入が決まり、クオリカの担当者の提案や解決策の提示を見て、同社が改めて実感したことがあります。それは、担当者が雑貨の小売業の商流や業務に精通していることです。「最初に話した時から感じていたことですが、要件定義や設計の段階になって、それが本物であると確信しました。例えば、業務を念頭に複数ある帳票をひとつにまとめたり、『こうした分析ができる機能をアドオンしたい』というと、『それはこのデータを見ればできるから機能追加の必要はない』と提案するなど、帳票のスリム化、費用の低減も含めて、我々の側に立って物事をスピーディーに推進して頂き、その姿を見て信頼感が増す想いを抱きました」(皆川氏)。
 こうして構築された新規システムの機能と成果に、社内の経営陣も社員も驚きを禁じ得なかったと言います。まず、すべての店舗が自動発注となり、従来、店長など責任者が行っていた「発注」という業務の半分以上を占めていた仕事が無くなりました。
 発注の流れは次の通りです。新商品については、店舗の売上などさまざまな実績を基にはじき出された店舗のランキングに応じて適正在庫が決まり、本部からメーカーに自動発注が行われます。ある店で適正在庫が仮に5点であれば商品5点をメーカーから出荷(店舗は入荷)し、その後3点が売れたら即座に3点を自動的に補充します。
 加えて、同社が優れた機能だと感じているのが、「在庫の再編集」です。これは新商品を店舗に出荷した場合、一定期間後に実際に売れているのかどうかを基準に適正在庫を自動的に再計算して提示する機能。本部のバイヤーはそれを確認し、ボタンを押すだけで、再編集された適正在庫でメーカーから出荷されます。「適正在庫の見直しを全店舗で人が行うのは現実的に難しく、従来は行っていなかったこと。こうしてすべてが実績と数値によって商品管理できるようになったことが今回のシステムの功績です」と、皆川氏は話します。
 そして、数値による管理は大きな成果をもたらしています。各店舗には実績から割り出された「売れる」と予測される分量だけ配荷されるため、売れ残りも売り逃し(機会損失)もなく、「入荷した商品が過不足なく売れていく」(皆川氏)という現象が起こったのです。特に今まで成績がよくなかったボトムの店舗が前年比120~130%と売上を大きく伸ばしています。結果、同社全体で2022年度は売上増となり、売上高、利益ともに過去最高益を記録したのです。

 

今後の展開

自動発注により年間約3万5300時間を削減
売上も会社も変えるシステムの力を実感

 店舗での発注業務がなくなり、以前、1店舗あたりで同業務に要していた週約7時間、年間364時間の業務が削減(年52週で計算)されました。97店舗で換算すると、約3万5300時間の削減につながっています。
 そうした中、削減によって生じた余剰時間を店舗内レイアウトの再編集の業務に割けるようになったことも利点であると、今村社長は考えています。「今までは余裕がなく、特にレイアウトの再編集は後回しでした。それらの店舗運営で最も重要な業務が行えるようになったことで、店舗の好感度がアップし、集客と売上向上につながっていることは間違いありません。売上が上がり、売れる店づくりにも注力できるようになり、店長や社員のモチベーションもアップしています」(今村氏)。
 また、皆川氏はシステムが起こす変革の力をこう話します。「今回は、システムひとつでこれほどまでに売上が向上し、クオリカの提案で会社自体も変わることができました。単にシステムを納品するだけでなく、我々の仕事を深く理解し、一緒になって変えていこうというクオリカの姿勢が奏功したと考えています」。
 同社は、今後も新規性のある様々な施策にチャレンジすることを視野に入れ、ファンづくりや売上・利益のさらなる向上に力を注いでいく意向を示しています。システム導入をきっかけに将来的な可能性が広がり、新施策に対するクオリカの支援も期待されています。

導入を担当したクオリカ社員と一緒に

お客様のプロフィール

会社名
株式会社CHELSEA New York
所在地
石川県野々市市御経塚3-488
設立
2008年11年1日
資本金
1億円
事業内容
雑貨専門店のCHELSEA New York、姉妹店であるPARIS JULIETを北海道から沖縄まで、全国に97店舗展開。帽子やバッグ、生活雑貨などを販売。2022年度の売上高は68億円、利益ともに過去最高を記録。

お問い合わせ先:サービスクリエーション事業部小売ビジネス部
TEL:03-5937-0760
FAX:03-5937-0803