クオリカ株式会社
TISインテックグループのクオリカ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:阿久津 晃昭、以下:クオリカ)は、精密部品加工に用いられるCNC(数値制御)自動旋盤を主力とする工作機械メーカーであるスター精密株式会社(本社:静岡県静岡市、代表取締役社長:佐藤 衛、以下:スター精密)が静岡県菊川市に建設し、2025年12月に稼働開始した新工場に、工場の生産性改善システム「KOM-MICS(コムミクス)」を導入したことを発表します。
クオリカの「KOM-MICS」は、工場の生産性改善を支援するクラウド型システムです。製造現場全体における設備の稼働状況を可視化するとともに、加工中の状態を示すデータを取得・活用することで、品質を維持しながら加工条件の最適化や改善活動を支援します。
今回、スター精密の新工場で稼働する設備の約8割にあたる計54機を「KOM-MICS」に接続しました。これにより、メーカーの異なる工作機械の稼働状況を一元的に把握できるようになりました。あわせて、新工場への本格導入に先立ち、既存工場での検証を実施した結果、工作機械3台で年間940時間の加工時間削減を実現しました。
■背景
製造業界では、需要変動への対応や人手不足への対策に加え、脱炭素社会の実現に向けた環境負荷低減が重要なテーマとなっています。こうした中、工場のスマート化による生産性向上とエネルギー効率の改善は、多くの製造現場に共通する課題です。
スター精密においても、生産性向上や電力量削減といった環境負荷低減の両立を重要なテーマと捉え、その取り組みの一環として、生産設備のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進してきました。
従来から、現場独自の手法による設備の稼働・停止状況の可視化は行っていましたが、さらなる生産性向上やエネルギー削減につなげるためには、加工中の状態を含めたデータを活用し、改善の根拠を明確にする必要がありました。
スター精密はこうした取り組みを実践する拠点として、新工場「菊川南工場」を建設し、2025年12月に稼働を開始しました。新工場では、自律走行ロボットによる夜間生産や太陽光パネルの導入などを通じて、高い生産効率と環境性能の両立を目指したスマート工場運用を進めています。
一方で、こうしたスマート工場運用をさらに高度化していくには、設備データを基に改善状況を把握し、次の打ち手につなげていくことが重要だと認識されていました。
そこでクオリカは、生産性改善システム「KOM-MICS」を提案し、その有効性を見極めるため、スター精密の既存工場である「菊川北工場」において、工作機械3台を対象とした検証を実施しました。その結果、年間940時間の加工時間削減を実現し、現場改善につながる手応えを得られたことから、新工場への本格導入が決定しました。
<KOM-MICS導入イメージ>
■「KOM-MICS」の導入効果
クオリカは、スター精密の既存工場での「KOM-MICS」検証および新工場への展開を通じて、以下の導入効果を確認しました。
- 多様な工作機械の稼働状況を一元把握
従来は、メーカーごとに制御形式やデータ形式が異なる工作機械が混在しており、工場全体の稼働状況を横断的に把握することが難しい状況だった。
「KOM-MICS」の導入により、こうした違いを吸収し、メーカーの異なる工作機械54機の稼働状況を一元的に把握することにより、スマート工場運用の基盤となる稼働監視・見える化を実現。
- 加工中の負荷状態を示すデータ(切削抵抗)の可視化で加工時間を削減
既存工場での検証において、「KOM-MICS」による切削抵抗の可視化と「切削抵抗一定化」機能※1を活用し、データに基づく加工条件の見直しや改善活動を実施。
その結果、検証対象とした工作機械3台において年間940時間の加工時間削減を確認。
- 工具選定をデータで最適化し、工具コストを年間20万円削減
既存工場での検証において、「KOM-MICS」で取得した切削抵抗データを活用し、新旧工具の切削特性を比較することで、工具選定をデータに基づき最適化。これにより、年間約20万円の工具コスト削減を実現。
- 電力量の可視化で省エネ効果を定量把握
既存工場での検証において、「KOM-MICS」に電力センサーをオプション接続することにより、設備ごとの電力量を可視化する環境を構築。その結果、加工時間短縮に伴う省エネ効果を定量的に把握できるようになり、工作機械3台で年間1,080kWhの電力量削減を確認。
※1 加工時に発生する切削負荷(切削力)を測定・分析し、負荷が一定になるように加工プログラムを最適化することで、工程時間の短縮を提案する機能
スター精密への導入の詳細は以下をご参照ください。
https://www.qualica.co.jp/ja/case/star-m_202605.html
■今後の展望
クオリカは、「KOM-MICS」の導入支援を通じて得られた知見をもとに、加工中データを活用した改善活動の定着を支援するメニューの拡充や、運用・活用フェーズにおける伴走支援体制の強化を進めます。あわせて、電力量などのデータ活用を含む改善活動を支援し、生産性向上と環境負荷低減の両立に資する取り組みを製造業全体へ広く展開していきます。
■「KOM-MICS」について
「KOM-MICS」は、工場の生産性改善を支援するクラウド型システムです。工作機械の稼働状況や加工中の状態に関するデータをクラウド上に収集し、さまざまな視点での可視化を通じて課題の発見と改善活動を支援します。加工条件の最適化や改善につながる分析・管理機能を備えており、製造現場における継続的な改善と安定稼働を後押しします。
■スター精密株式会社について
1950年創業。静岡県静岡市に本社を置く、精密工作機械、小型プリンターの2事業を主軸に展開するグローバル企業です。主力製品である自動旋盤(スイス型自動旋盤)は世界トップクラスのシェアを誇り、また、モバイルプリンターや決済端末向けプリンターなどの「POSソリューション」においても、世界中の店舗やサービス現場で広く導入されています。独自の精密加工技術と電子技術を融合させ、モノづくりと情報の双方で社会の発展に貢献しています。
クオリカ株式会社について(https://www.qualica.co.jp)
1982年、世界的建設・鉱山機械メーカーのコマツから情報システム会社として独立、創業。以来、製造・外食/小売・サービス業のお客さまを中心に、現場の課題解決に向け幅広いITサービスを提供してきました。クオリカは、これまで培ってきた技術力と業務知識で、国内外のお客さまのビジネスの成長とより良い社会・環境の実現を目指します。
TISインテックグループについて
TISインテックグループは、国内外グループ2万人を超える社員が『ITで、社会の願い叶えよう。』を合言葉に、「金融包摂」「都市集中・地方衰退」「低・脱炭素化」「健康問題」を中心としたさまざまな社会課題の解決に向けてITサービスを提供しています。デジタル技術を駆使したムーバーとして新たな価値を創造し、人々の幸せと持続可能な豊かな社会の実現に貢献します。
※「KOM-MICS」は株式会社小松製作所の登録商標です。
※ 記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
※ 記載されている情報は、発表日現在のものです。最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。
報道関係からのお問い合わせ
担当 : クオリカ株式会社 経営企画本部 企画部
TEL : 03-5937-0715
info@qualica.co.jp
サービス・ソリューションに関するお問い合わせ
担当:クオリカ株式会社 製造サービス事業部 KOM-MICS推進室
TEL : 03-5937-0777
info_kom-mics@qualica.co.jp