ITILは、企業のシステム運用部門が実施すべき業務手順、人材と体制、IT技術の選定と実装方法などについて定めたガイドラインであり、1)ビジネス・顧客の現在と将来のニーズにあったITサービスの提供、2)ITサービスの品質向上、3)ITサービスの長期的なコストの削減、を主要目的として構築されています。1980年代に英国政府機関「CCTA」(Central
Computer & Telecommunications Agency)が策定しました。現在ではITサービス・マネジメントの標準として世界的に支持を得ています。
日本国内でも2003年5月にITILの導入促進を目指す組織「ITサービスマネジメントフォーラムジャパン」(itSMF Japan)が設立されました。
ITILは、情報システムを動かして、利用者に情報を提供する活動を「ITサービス」ととらえ、このサービスの品質を向上させるために必要な業務プロセスを規定しています。業務プロセスは、「サービスサポート」と「サービスデリバリ」の2つの領域に分かれています。
サービスサポートには、ITサービスを柔軟にかつ安定して提供するため次の5つの管理項目が含まれています。
・ インシデント管理
・ 問題管理
・ 変更管理 (注2)
・ リリース管理(注2)
・ 構成管理
サービスデリバリには、コスト効率に優れた質の高いITサービスの提供を支援するため、「サービスレベル管理」「可用性管理」「キャパシティ管理」「ITサービス財務管理」「ITサービス継続性管理」の5つの管理項目が含まれています。
サービスサポートとサービスデリバリの要素を組み合わせることによって、企業のサービスマネジメントの機能を向上させることができます。これら10項目のサービスマネジメント管理項目が詳細に連携し、ITインフラによる高品質なサービスの提供を可能にするという目標をサポートしています。
ITILの詳細はこちらをご覧ください。
http://www.caj.co.jp/itsm/