ホーム導入事例タリーズコーヒージャパン株式会社

POSレジと外食業管理システムTastyQubeを一括導入
大規模飲食チェーンの売上・発注・在庫管理を最適化

流通・サービス業

コーヒーショップチェーン タリーズコーヒージャパン株式会社様

掲載日:2019年05月19日

導入ポイント

  • 課題
    ●POSレジや店舗管理システムの機能や処理能力に不足している部分があった
    ●メニューの複雑化、店舗数の拡大に対応できるシステムが不可欠
  • 評価ポイント
    ●飲食業向けシステム開発の“経験値”が豊富なクオリカが最適と判断
    ●オールインワンのシステムであり、柔軟なリプレイス計画の提案に好感
  • 効果
    ●POSレジの商品構成を全店一斉にアクティブに変更することが可能に
    ●シフト・勤怠システムを導入し、シフト組みや確認作業が省力化

課題と評価

大規模化するチェーンに対応するシステム構築が急務
ベンダーの選定で重視したのは飲食業向けの“経験値”

 全国47都道府県に約700店を展開するタリーズコーヒーは、社内で開催する「バリスタコンテスト」などで技術に磨きをかけた従業員が、一杯ずつ丁寧に作るコーヒーが高い評価を得ている、業界屈指のチェーン店です。病院内に80店以上出店するなど、地域に根ざした施設にくつろぎの空間を作ることを積極的に進めています。
 2006年に伊藤園の傘下に入って以降、出店を加速させてきましたが、課題となっていたのが、POSレジや売上情報、食材発注など店舗管理システムの機能と処理能力が不足していたこと。「複雑化するメニュー構成や拡大する店舗数に対応するためには、よりスペックが高いシステムへの刷新が不可欠でした」と、タリーズコーヒージャパン管理本部システムグループ長の橋本聡氏は振り返ります。
 同社では、刷新に向けてシステムベンダーを選定するため、クオリカを含む4社を集めてコンペを実施。重要視した点が、システム導入の“経験値”です。「飲食業向けシステムの経験が豊富な会社はIT業界でも意外と少なく、そうしたベンダーと手を組みたかった」と、橋本氏は話します。選考の結果、その条件に適合するベンダーとして白羽の矢が立ったのが、外食産業向けの店舗管理システム「TastyQube」を様々な飲食チェーンに導入した実績を持っていたクオリカです。TastyQubeが、POSレジとの連携から売上管理、予算・実績管理、発注・廃棄などの食材管理、勤怠管理まで、店舗管理に必要な全ての機能を、オールインワンで提供できる点も、他社には見られない評価ポイントでした。

効果

売上情報の即時把握や在庫・発注管理の円滑化を実現
POSレジとTastyQubeの高い連携性で販売戦略が有利に

 一方、他社が全店のPOSレジを一斉に新機種に交換する提案を行ったのに対し、クオリカは、新レジは新規に出す店に先行して導入し、減価償却が終わっていない旧レジは残してソフトを入れ替えて統合する、ソフトウェアベンダーならではの“秘策”を提案。旧レジのベンダーとの保守継続交渉なども引き受け、時間をかけてリプレイスを図る受け入れやすい案を提示したのです。「初期投資を抑えなければならない中、現実的で柔軟な提案もクオリカのシステムを採用する決め手になった」と、橋本氏は舞台裏を明かします。
 その後、約1 年の開発期間を経て、新P O S システムとTastyQubeが稼働を開始。当時400店以上に拡大していたタリーズコーヒー全店の売上情報がリアルタイムに把握、分析でき、食材の在庫管理や発注業務も円滑に行えるシステムがついに動き出したのです。新しいシステムで最も重宝したのが、POSレジとTastyQubeの高い連携性。例えば、本部でシステムに新商品の名称や価格を入力して送信するだけで、即座に全店のPOSレジの画面にその情報が反映されます。ドリンクとフードのセット割引の組み合わせや価格のデータを全店のPOSレジで一斉に変えることも自由自在。「商品構成をアクティブに変えられるようになった点は、販売戦略上、非常に大きな成果です」(橋本氏)。商品構成や価格の変更は、予約機能を使って事前に設定することも可能。その他、プリペイドカードの「タリーズカード」や電子決済の導入など、追加機能の開発もクオリカの高い技術力で対応していったのです。

タリーズコーヒージャパン株式会社 管理本部システムグループグループ長 橋本聡 氏

新規開発

マネージャーに大きな負担がかかっていたシフト作成
パッケージソフトを協力して開発し、負荷が大幅減に

 そして、大きな転機となったのが、シフト・勤怠管理システムの導入です。タリーズコーヒーの各店は、従業員の大半をアルバイトが占め、マネージャー職の社員にとっては、シフトを組む作業が重荷になっていました。「社員の負担を減らすために、何年もシステム化できるパッケージソフトを探してきました。私たちが必要としていたのは、シフトの予定を立てる仕組みと、実際に働いた結果を表す勤怠が連携しているシステム。様々なベンダーから提案を受けましたが、ニーズを満たすものがなかったのです」(橋本氏)。タリーズコーヒーは、働くアルバイトの人数が20、30人の店もあれば、5、6人の店もあります。勤務可能な時間数も個々の事情によって千差万別。それらを組み合わせて細かくシフトを組むことができ、なおかつ勤怠も管理できるシステムの実現は困難を極めました。
 そこで、同社が相談を持ちかけたのがクオリカです。実は、タイミング良く、クオリカでもシフトと勤怠を管理できるパッケージソフトの開発を構想している最中であり、両社の思惑が一致。タリーズコーヒーの意見や要望を取り入れながら、新しいソフトを開発するプロジェクトがスタートしたのです。
 その結果、製品化されたのが、初期投資を抑えられる月額課金サービスで利用可能な「TimeManagementQUBE(TM QUBE)」。アルバイトがスマートフォンで希望の勤務日時を入力し、マネージャーは各自の要望を見て、PCなどの画面上でシフトを短時間で作成できる便利なソフトです。アルバイトは作成されたシフトをスマートフォンで確認できるため、店に出向いて予定を伝えたり、シフト表を見に行く手間が省けます。勤怠実績データもリアルタイムで反映され、マネージャーによる迅速な日次・月次承認が可能です。「今ではタリーズコーヒーの直営店全店で導入し、マネージャーがシフト・勤怠管理にかける手間と時間が大幅に削減されています」(橋本氏)。クオリカも、現場の声が反映された実践的な「TM QUBE」を外食チェーンなどに売り込み、導入実績を積み重ねています。

コーヒー店内にて橋本氏(左)とクオリカ担当者

今後の展開

クオリカを“コンサルテーション型ベンダー”と評価
顧客と従業員の利便性を高める新システムの導入を構想

 TM QUBEにより、従業員の負担を減らす取り組みを前進させたタリーズコーヒー。他にも、食材の調達では、過去の実績データから目安となる数量をシステム上で自動的に算出して提示し、それを参考に発注することで、ロスが出にくい仕組みにするなど、従業員をITでバックアップする試みを一歩ずつ進めています。
 今後も顧客、従業員の双方の利便性を高めるシステムの導入を、クオリカの提案力と技術力を活用して実現していく計画です。例えば、顧客がスマートフォンで店外から注文し、来店と同時に商品を受け取れるモバイルオーダーシステムや、インバウンド客向けの新しい決済システム、あるいは食材の賞味期限を管理する新システムの開発などを構想中。「クオリカは、システムを実際の業務に落とし込むアイデアや提案力に長けた“コンサルテーションもできるベンダー”。私たちが必要としているのは、そうした業務やビジネスに適合させるノウハウであり、数あるベンダーの中でもその点に優れているクオリカに相談しながら、これからも業務やサービスを進化させていきます」と、橋本氏は話しています。



お客様のプロフィール

会社名
タリーズコーヒージャパン株式会社
https://www.tullys.co.jp/
所在地
東京都新宿区箪笥町22番地
設立
1998年5月(創業1997年8月)
資本金
1億円
事業内容
米国シアトル発祥のスペシャルティコーヒーショップ「タリーズコーヒー」を日本で展開。
「地域社会に根ざしたコミュニティーカフェとなる」を理念に、
一杯一杯手作りの本格的なコーヒーとくつろぎの空間を提供。

お問い合わせ先:流通サービス事業部
TEL:03-5937-0760
FAX:03-5937-0803